株式投資で得る利益と言えば、株式の売買における売却益か、株主に分配される配当金になりますが、実はもう一つ「貸株」で受取れる手数料があります。

Contents

貸株

貸株とは、保有している株式を証券会社に貸すことで、金利を受け取れるサービスのことです。要するに、株式のレンタル料みたいなものです。
証券会社は借りた株式を機関投資家に貸出し、同様に貸株料を徴収することで利益を得ています。貸株サービスは大手のネット証券会社が積極的に取り組んでおり、取扱銘柄数が実店舗証券会社より多くなっています。

株式を貸出すことに料金はかかりません。従って、中長期での株式の保有を目的としている人や、塩漬け状態となっている株式を保有している人にとって、貸株はお得なサービスと言えます。

貸株サービスのメリット

貸株サービスのメリットには、以下の4つが挙げられます。

1.貸株金利の受領
2.配当金の受領
3.株主優待の受領
4.自由な売却

1.貸株金利の受領

年率は一般的に0.1%になっていますが、中にはプレミアム金利やボーナス金利と言って、1.0%以上の金利の銘柄もあります。
新興企業の小型株など、値動きの大きい銘柄ほど金利の高くなる傾向にあります。貸出のできる銘柄は非常に多くなっており、大手ネット証券だと400~600銘柄もあります。

例えば、年率が1.0%だった場合、100万円で年間1万円、10年間では10万円の金利収入になります。
現在の銀行の預金金利は0.01%のため、100万円を預けても1年後の利息は100円にしかなりません。それに比べれば、かなりお得と言えます。

なお、100万円を1%の金利で貸した場合、1日当りの貸株料は27.39円です(100万円×1%÷365)。その金額が毎月入金されます。
従って、年単位ではなく、数ヶ月単位で株を貸出すことも可能です

2.配当金の受領

株主に支払われる配当金は、権利確定日に株式を保有している株主に対して支払われます。貸株サービスを利用すると証券会社に名義が変わるため、原則として配当金は受け取れません。

ところが、貸株サービスでは、証券会社から配当金相当額が支給されます。
なお、ネット証券会社には「配当自動取得サービス」の提供されているところがあり、配当金の権利確定日に自動的に株式が返却されることで、配当金を受取れるようになります。

3.株主優待の受領

配当金同様、ネット証券会社には「株主優待権利自動取得サービス」があり、権利確定日に貸株を自動で返却してもらえるため、株主優待を受けることもできます。

4.自由な売却

貸株のメリットには貸株中の株式をいつでも売却できることがあります。
しかも、貸株の解除など、面倒な手続きは必要ありません。
普通の株式と同じように売ることができるため、売却のタイミングを逃す心配がありません。